各地でブックスタートの事務局を担う皆さんが、つながりあえる場をつくりたい!
そんな思いから、この度、当NPOでは「ブックスタート担当者 オンライン会議」を開催しました。第1回目(2024年1月25日)のテーマは「赤ちゃんに手渡す絵本について考えよう」。
北は山形県、南は沖縄県まで21市区町村の方が参加し、それぞれの現状や課題、工夫などが共有されました。本会議でのトピックをご紹介します。
■誰が、どのように選んでいる?
図書館司書のみで相談、決定しているという自治体もあれば、市民ボランティアや保健師、子育て支援センター職員、さらには保育園や幼稚園の先生、学校司書などにも意見を求めているという自治体も。保健師や保育士からは「子どもとの関わりに苦手意識のある保護者には、簡単な“しかけ”のある絵本も有効では?」といった、司書とは異なる視点からの提案がなされているといいます。予算の観点から候補となる絵本を数点に絞った上で、関係者に投票してもらい、それを踏まえて決定しているという自治体もありました。
選書に関わる機関や人を増やすことは、ブックスタート事業への関心を高めることにもつながります。健診で実施しているものの、他課とのコミュニケーション不足を課題に感じている図書館担当者からは「次からは、保健師さんにも協力を呼び掛けます!」といった声が聞かれました。
また長年、事業を行っている自治体では、想定よりも出生数が少なかったなどの理由で、少しずつ残った絵本の「在庫」の扱いが課題になっているということも話題に上がりました。配付タイトルを既に持っている方への、差し替え用として活用をしているものの、新たに選ぶ際には予算の範囲内で購入できる価格帯から、在庫にないものを選ばざるを得ないため、検討の余地が少ないのだそうです。
■何年ごとに見直している?
毎年という自治体もあれば、2~3年に一度という自治体も。検討はするものの、結果として同じタイトルを継続的に手渡しているという自治体もありました。また、年度ごとに配付絵本を変更するが、その検討は2~3年度分をまとめて行っているという自治体も。以前に配付した手渡したことがあるタイトルを準備する場合は、第2、3子などを想定し、ある程度、期間をあけているとの声も聞かれました。
■どのような視点で選んでいる?
< 読むことで伝わる絵本 >
「読みきかせ」の体験があるからこそ、手渡せる絵本があるのでは?という意見も出されました。保護者に受け取る絵本を選択してもらっているある自治体では、コロナ禍で読みきかせを休止していた間、選択される絵本の傾向がこれまでと異なったといいます。読みきかせをしていた時は人気だった、抽象的なタッチの絵本を選択する人が急に減ったのです。そのためコロナ禍では、内容もさることながら、表紙の印象も含めて、保護者にとっての「親しみやすさ」を重視した選書を行ったそうです。
< なじみのあるもの >
長年、読みきかせ活動をしているボランティアからの要望をもとに、選択肢のひとつとして、ロングセラー絵本を用意している自治体では、絵本を受け取った保護者から「この本、知ってる!」といった声が聞かれているとのこと。ブックスタート後、その絵本のシリーズを借りに、図書館に来館する方もいるそうです。また、食べ物など、赤ちゃんに身近な題材をテーマとした絵本を手渡している自治体では、読みきかせをしてもらっている赤ちゃんに、保護者が「〇〇だね」など声かけをする様子が見られたとのこと。赤ちゃんにとっても、保護者にとっても「なじみ」があるという視点も大切なのでは?との声が聞かれました。
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ご参加の皆さんのお力添えによって、無事終了することはできたものの、進行に不慣れな点が多く、終了後、事務局一同反省しきりでした。今後も要望をいただけるようであれば、手軽につながりあえるオンラインの醍醐味を活かし、もっと、ざっくばらんに語りあえる場をつくっていきたく思っています。
「こうしたテーマを設けてほしい」「こんな設定で開催してほしい」など、ぜひともお知らせください。日進月歩を目指し、職員一同、頑張ります!!