倉吉市でブックスタートが始まったのは2002年5月。
事業開始から20周年を迎えた2022年度、市では「より多くの人にブックスタートを知ってもらうこと」「シェアブックスの時間を地域にさらに広げていくこと」を目的に、さまざまな記念企画を実施しました。
1年にわたり行われた7つの企画についてご紹介します。
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(1) ブックスタートオンライン研修[ボランティア向け]
改めて事業の意義を確認しようと開催された研修会では、NPOブックスタートの職員が活動のあゆみや各地の事例を紹介しました。
研修会には、ボランティア、図書館職員だけでなくフォローアップに関わる保育所、認定こども園の職員、さらにはブックスタートを実施する近隣自治体の担当者も参加。
終了後には近隣自治体と情報交換会を実施し、今後に向けたヒントを探りました。
(2)あかちゃんのおはなしかいとおもちゃづくり[親子向け]
簡単なおもちゃづくりを取り入れたあかちゃん向けのおはなし会を開催。
「コロナで外に出かける機会が少なくなっていたが、おもちゃづくりは図書館に足をはこぶ良い機会になりました」と、保護者に好評でした。
(3)わらべうたに親しもう[親子向け]
シェアブックスの時間と同じように、親子で心地よい言葉に出合える「わらべうた」。
地域で活動しているわらべうたの会から講師を招き、親子で楽しむ時間を持ちました。
(4)読み聞かせ連続講座[ボランティア向け]
現在読みきかせの活動をしている方だけでなく、これから始めたい方も対象にした全3回の連続講座。「高齢者施設で活動を始めたい」という参加者もいて、幅広い世代に絵本の時間を広げるきっかけにもなりました。
(5)おうちでの読み聞かせ写真・エピソード展[一般向け]
家庭でのシェアブックスの写真・エピソードを募集し、ブックスタートの紹介とともに図書館に展示しました
(寄せられたエピソードより)
● 娘がまだ小さく言葉を覚えたての頃、よくこの絵本*を読み聞かせしていたのですが、繰り返しのリズムが楽しかったようで、自分で読みたいと言って、私に読み聞かせをしてくれていました。まだ字が読めなかったのですが、セリフもストーリーも覚え「がたんごとんがたんごとん のせてくだしゃあーい」と笑顔でよんでくれていたころがとても懐かしいです。
*『がたんごとんがたんごとん』安西水丸 福音館書店
● 子どもは、母親の読み聞かせが大好きで、寝る前のルーティンでした。そんな子どもの特にお気に入りが『おひさま あはは』*で、ほかの絵本を読んでも、必ず「これも読んで!」と自分でとってきていました。おかげで、テープで補修しまくりです。
*『おひさま あはは』前川かずお こぐま社
(6)子育て講演会 [親子向け]
ブックスタート・ボランティアの松田和代さんが講師となり子育てにおける絵本や読み聞かせの意義について紹介。図書館のおはなし会に参加してくれる親子がいるなど、次につながる機会になったそうです。
講演会の様子は、ニュースとしても取り上げられました。
子どもに絵本の読み聞かせする大切さ伝える講演会 倉吉市(NHK鳥取)
https://www3.nhk.or.jp/lnews/tottori/20230302/4040014438.html
(7) 絵本作家こがようこさん子育て講演会[親子向け/一般向け]
ブックスタートで手渡している絵本「へっこ ぷっと たれた」の作家こがようこさんによるおはなし会と講演会を開催。
講演会では実演を交えたお話に、語りかけが子どもにどのように伝わるのかをまさに実感できたそうです。参加者からは「また、こがさんを呼んで欲しい」とのリクエストも寄せられました。
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7つの記念企画を通じ、ブックスタートやシェアブックスを多くの人に伝えられただけでなく、「笑顔のつながりが生まれたことが嬉しい」と倉吉市立図書館の中山さん。
「我が子を見て笑顔になった保護者が、他の赤ちゃんを見てさらに笑顔になる。そんな様子に私たち職員も思わず笑顔になる。笑顔ってつながっていくんですね。絵本を共有する時間は、笑顔をつなげる時間でもあります。ブックスタートをベースに、笑顔をさらにつなげられるよう、今年度も活動していきたいです」と話してくださいました。
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10周年、15周年など節目を迎えた自治体でも、さまざまな取り組みが行われています。
当NPOでは自治体向けに、広報に使える「20周年記念ポスター」を提供しています。ご希望の自治体はお問い合わせください。