「共に活動するボランティアや行政職員で、ブックスタートの目的と意義、他自治体の事例を知り、共通認識を深めたい」。そうした依頼を受け、当NPOでは、自治体主催の研修会に職員を講師として派遣しています。
コロナ前は年間約50件の依頼を受けていたものの、2020年度は10件弱に激減しました。2022年度は、コロナの影響で休止していたボランティア活動や読みきかせの再開などの動きもあり、リアル・オンライン開催あわせて約40自治体の研修会に職員を派遣しました。今回はその一部をご紹介します。
CASE1 大阪府泉南市
<開催の背景>
・リアル開催
・コロナによりボランティア活動を3年間休止していたが、2023年度から再開。
・休止以降に加わった新規ボランティアおよび既存ボランティアが対象。
・参加者どうしがペアで行うワークを挿入。
<研修の様子>
既存ボランティアどうしが久々の再会を喜ぶ「同窓会」のような、とても和やかな雰囲気でした。ワークを通して新規・既存ボランティアどうしが知り合う機会になりました。自治体担当者と当NPO職員が直接話をすることで、具体的な情報交換をすることもできました。
<担当者の感想>
ボランティアは、団体/個人参加など様々な立場や思いを持って集まっています。また、3年間という長いブランクもあります。実施方法はマニュアルで確認できますが、活動の目的等の根っこの部分、ブレてはいけない部分を、今回の研修で再確認できたと思います。
※泉南市の活動はニュースレター59号 2018年冬 で詳しく紹介しています。
CASE2 静岡県御殿場市
<開催の背景>
・リアル開催
・コロナにより開催できなかった研修を2年ぶりに企画
・グループワークを挿入
<会場の様子>
グループワークでは、いくつかの場面設定(例:絵本に集中しない赤ちゃんに対し、保護者が集中させようと働きかけている)に対し、保護者/赤ちゃんの行動の背景や気持ちを考えた上で、スタッフとしてできることをグループ内で話し合いました。「自分の子育てが上手くできていないと思われないか、不安になっているかもしれない」など、保護者の気持ちを深く理解しようとする意見が出ました。
<参加者の感想>
・ただ話を聞くだけでなくグループワークをすることで、より理解が深まった感じです。
・赤ちゃんと保護者の気持ちを改めて考え、共感することができたと思います。
CASE3 長崎県時津町
<開催の背景>
・オンライン開催
・集団健診での実施が難しく、図書館に対象者を集めるかたちで実施しているが、参加率の低さが課題に。会場を増やすことで参加率アップを目指し、新規ボランティアを募集
・第1回の研修はNPOブックスタートによる講座。第2回は近隣自治体の職員による事例発表
<会場の様子>
質疑応答では「わざわざ図書館に足を運ばない人にこそ絵本を届けなければいけないと考えさせられた」という感想が聞かれました。また図書館員やボランティアだけでなく保健師の参加もあり、関係者全員が立場を越えて共通認識を持つ機会になりました。
<参加者の感想>
・今まで、この事業のことは知っていましたが、内容や意義までは考えたことがありませんでした。講座を受けて、私もあたたかい気持ちになれました。
・とてもわかりやすく興味の持てる内容でした。リモートと感じられない一体感もありよかったです。
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各自治体のご要望にあわせて、日時や内容を決定します。講師派遣の依頼方法はこちらや費用の詳細をご確認ください。全国各地の皆さんとお会いできることを楽しみにしています!