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[神奈川県相模原市] 工夫を積み重ね、読みきかせを再開/コロナに負けない!15

神奈川県相模原市では、新型コロナ感染症拡大防止のために2020年3月から休止していた絵本の読みきかせを2022年1月に再開しました。

コロナ禍の読みきかせでは、感染対策のため、様々な配慮が必要となる場合があります。同市でも、関係者が知恵を出し合い、感染対策と読みきかせの両立のためのより良い方法を見出しています。

アクリル板越しに読みきかせ

読みきかせは、親子と、読み手の子育てサポーター*1との間にアクリル板を立てて行っています。
再開前、複数組の親子の協力を得て読みきかせの方法を試行した際は、両者の間に2メートルほどの距離を取りました。すると赤ちゃんの視線が絵本以外のものにいってしまい、赤ちゃんの顔を絵本に向けようと、保護者が抱っこの向きを何度も変える場面もありました。しかし現在は、アクリル板越しに近距離で向き合うので、赤ちゃんが絵本をしっかり見てくれて、保護者もゆったりと過ごせています。

*1 子育てサポーター:こども家庭課が募集・養成し、ブックスタートや親子サロン、多胎児支援などの子育て支援事業で活動する市民。

またアクリル板は、当初はダンボールの枠があるものでした。しかしサポーターから、「見える範囲が狭く絵本が見えにくいようだ」「不安定なので反射してしまう」といった意見が挙がり、全面アクリルのものに変更しました。
感染対策はこのように、実際にやってみることでより良い方法がわかることが多いと感じているそうです。

滞在時間や消毒方法を工夫

コロナ前は6か所あった読みきかせコーナーは、密を避けるため4か所に変更しています。サポーターの参加人数もコーナーの数に合わせて最小限とし、さらに前半と後半で担当を分けて参加時間が長くならないようにしています。*2

親子の滞在時間にも配慮をしています。以前は、読みきかせの後に自宅近くの子育て支援施設を紹介するなど、10分近くかけることもありました。現在は子育て支援の情報は簡単な説明に留め、5分を目安に対応するようにしています。

座る場所は、座布団からマットに変更し、消毒ができるようにしました。そして親子側のマット、アクリル板、机の消毒はひと組ごとに行いますが、サポーター側は担当を固定することで回数を最小限にし、消毒にかける時間を減らしています。こうすることで、可能な限り親子を待たせずに誘導できるようにしています。

*2 実施体制は会場の状況によって異なる

様々な工夫を取り入れて実施している相模原市のブックスタート。
読みきかせの再開前には、サポーターから、約2年間のブランクに不安の声もあったそうです。しかし実際に親子を迎え入れると、自然な形で会話が始まったとのこと。
保護者の笑顔からも、その場が心からくつろげる、あたたかな空間であることが伝わってきます。

相模原市の情報は7月発行の「ブックスタート・ニュースレター 2022夏号」でも紹介しています。ぜひご覧ください。