Share books with your baby!(赤ちゃんと絵本をシェアしよう!)
ブックスタートが生まれたのは、1992年のイギリス。イギリスのブックスタートでは、活動の開始当初から、赤ちゃんと絵本を楽しむことを「シェアブックス」と言っています。
なぜread(読む)books ではなくshare(分かち合う・共にする)booksなのでしょうか。その理由を、ブックスタート発案者のウェンディ・クーリングさんが説明してくれたことがありました。
「read booksというと、お話の内容を楽しんだり、新しい知識を得るといったイメージがあるけれど、赤ちゃんにとっての絵本の楽しみは、それとはまったく別の体験。だからブックスタートでは、read books ではなく、share booksと言っているのよ。」
そしてウェンディさんは、「赤ちゃんに絵本がわかるのでしょうか?」と質問した当NPOのスタッフに寄り添うと、目の前で絵本を開き、まるで赤ちゃんに語りかけるように、微笑みかけたり、絵本を指差したりしながら、やさしく読み始めたのです。それは、絵本の内容がわかるかどうかという以前に、そばにいる人に絵本を読んでもらう嬉しさや心地よさを、体感させてくれるものでした。
ウェンディさんが伝えてくれたように、絵本は読む人の愛情を、語りかけることばで赤ちゃんに届けます。そのあたたかいひとときは、大人にとっても、心安らぐ子育ての時間です。
赤ちゃんとまわりの人が、一緒に絵本をひらいて心を通わせる、このコミュニケーションこそが「シェアブックス」。イギリスの活動から学び、深く共感した「シェアブックス」という考え方は、今も変わらず日本のブックスタートの根幹を支え、活動に携わる人々の間で大切にされています。