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自治体の方へ

[静岡県袋井市] 保健師によるボランティア研修で連携強化

2024年8月、静岡県袋井市立図書館のブックスタート事業担当 白井啓子さんから、当NPOにこんなお問合せをいただきました。

「今度、ボランティアさんの研修で保健師に講話をお願いしたいと思っています。どのようなテーマが考えられるでしょうか?」

白井さんは、同年5月に当NPOが開催した「新担当者向けブックスタート研修会」に参加。そこで「保健師を講師に招いて研修を行っている自治体もある」という話題を耳にし、連絡してくれたそうです。

早速、全国の事例から以下をピックアップしてお伝えしました。

保健師による主な講話テーマ
・月齢ごとの赤ちゃんの発達
・赤ちゃんのいる家庭の生活や保護者の悩み例
・親子のコミュニケーションやスキンシップについて
・赤ちゃんの健診やその他の母子保健事業の目的と内容
・今と昔の子育ての違い
・保護者への言葉の掛け方

白井さんは早速、保健予防課に相談。9月に赤ちゃんの発達をテーマとした研修会を開催することができました。講師を務めたのは、ブックスタートを行う7か月児相談を担当する、保健師の伊藤晴香さんと佐久間有沙さんです。

講話はとても分かりやすく、参加したボランティアからも大変好評だったとのこと。「読みきかせで使う見本用の絵本を離さない子にはどう関わったらいい?」という質問には、「絵本を取られてしまうと思うのかも。プレゼント用の絵本を広げて見せ、そちらに気持ちを向けてあげるとよいのでは」など、具体的なアドバイスをもらうことができました。

研修が相互理解を促進する機会に
白井さんに、研修会を行った感想を伺いました。
「保健師は、子どもの発達を知り尽くしているプロなので、的確なアドバイスをいただけてとても有意義な会になりました。保健師に、ボランティアさんのことをより知ってもらえる機会にもなったと思います。今後も機会をつくりながら連携して取り組んでいきたいです」

そんな袋井市のブックスタートを、12月に見学させていただきました。

「この絵本で、ゆったりした気持ちになってもらえたら、私たちも嬉しいです」
「1分2分でも、赤ちゃんをおひざに乗せて絵本をひらいてみると、きっと楽しい時間になりますよ」

ボランティアさんや図書館職員の皆さんの声掛けと、やわらかで優しい声の読みきかせに、保護者も赤ちゃんも自然と笑顔に。あたたかな場づくりがされていました。

「手伝っている」「場所を貸している」という一方的な関係ではなく、図書館、保健予防課、ボランティアのそれぞれが、絵本を介した親子のふれあいを応援しようという共通の目的のもとに対等な立場で取り組む。そうした姿勢が、あたたかく充実した活動の源なのではないかと感じました。