2024年10月24日、5年ぶりとなる対面形式での「ブックスタート全国研修会」を京都府で開催しました。
当日は、27自治体から61名の自治体職員・ボランティアなどが参加。他自治体で活動している仲間と会って話ができたことで、「元気が出た」「背中を押してもらえた」という声が聞かれました。
■プログラム
1.ブックスタートの「今」と「これから」
__NPOブックスタート
2.専門家から見たブックスタートの可能性 ※インタビュー映像
__恵泉女学園大学 学長 大日向雅美さん
__東京大学大学院 教授 遠藤利彦さん
__学習院大学 教授 秋田喜代美さん
3.事例報告
__京都府京都市 子ども家庭支援課
__大阪府豊中市 読書振興課
4.交流会
■NPOブックスタート 報告
日本でブックスタートが開始して23年。市町村合併やコロナ禍などを経ても変わらないこと、年月を経て変わってきたことを軸に、全国各地の活動の「今」を理念や目的とともに紹介しました。
そして、活動の質を高め、共感を広げること、すべての親子に手渡すために何ができるのかを考えていくことが、「これから」のブックスタートに必要であることを事例とともにお話ししました。
■専門家インタビュー
赤ちゃんの育ちや子育て支援、地域コミュニティの視点から、専門家がブックスタートについて語った映像をご覧いただきました。
※当日上映した映像は、こちらからご覧いただけます。
■京都府京都市 事例報告 子ども家庭支援課 阪田泰史さん
年間出生数7,695人(2023年度)の京都市では、各区役所・支所の子どもはぐくみ室(14か所)、および京北出張所で行われる4か月児健診でブックスタートを実施しています。
2016年度の事業開始当初から、視覚に障害のある赤ちゃんや保護者にも絵本を介した親子のふれあいを楽しんでもらえるよう、「点字絵本」や「触感を楽しむ絵本(点字付き)」を用意しています。対象者からは、「視覚障害児向けの触感を楽しめる絵本はなかなか手に入らないので、こういう機会にもらえて嬉しい」「視覚障害があっても絵本を触って楽しむことができると分かって嬉しかった」といった感想が寄せられているそうです。
また、地域ぐるみで読みきかせを通した子育てを推進するため、図書館および市内の書店でのフォローアップも行っています。
■大阪府豊中市 事例報告 読書振興課 八田尚子さん
京都市と同じく4か月児健診でブックスタートを実施している豊中市。
事務局である図書館、保健センター、市民ボランティアが、協力・連携して事業に取り組んでいます。連携する三者による懇談会では、事業の振り返りや各会場の様子を報告し情報共有を図っているほか、スタッフ研修会やミーテイングも開催。また、未受診者への対応やフォローアップ事業なども協力しながら行っています。
コロナ禍では、読みきかせが中止になるなど大きな影響がありましたが、保護者向けの手紙を作成したり、絵本をビニールパッキングして交換対応を可能にしたりするなどできる限りの対応をしました。そして、再開に向けた研修、話し合いを重ね、2024年4月から読みきかせを再開することができました。
今後も継続的に事業を実施していけよう、これまで繋いできた思いやスタイルを新たな担い手に伝えていくことが、これからの課題だということです。
■交流会
少人数のグループに分かれ、互いの地域の活動について共有したり悩みを相談し合ったりしました。
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<参加者の感想>
・図書館、保健師、市職員それぞれの立場からの話を聞く機会はめったにないので、とても良い機会になった。
・他市の具体的な事業実施状況が分かって本当によかったです。(中略)少しずつでも何か始めなければと元気がでました。
・大日向先生や秋田先生のインタビュー映像にあったとおり、こんな時代だからこそブックスタートが果たす役割の大切さを改めて確認することができました。
・グループ討議の時間が、あっという間に終わったという印象でした。いろいろなお話が聞けて良かったです。他のグループのお話も聞きたかったです。
・(前略)今日の研修で教わったことを念頭に置いて、これからもシェアブックの精神を大切に、活動していきたいと強く思いました。すべての赤ちゃんが幸せになることを願いながら。
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2025年1月29日には、オンラインでの全国研修会を実施します。
ぜひ、ご参加ください!