NPOブックスタート Bookstart Japan

自治体の方へ

[東京都西東京市] 20周年で「二十歳のつどい」とコラボ

「20年前に絵本をプレゼントした、あの頃の赤ちゃんたちにその後のことを聞いてみたい!」 

2023年に、ブックスタート事業を開始して20周年を迎えた東京都西東京市では、記念事業として「二十歳のつどい」とのコラボ企画を実施しました。 市から絵本を受け取った当時の赤ちゃんたち。その後、どんなふうに絵本のひとときを楽しんだのでしょうか。西東京市図書館の皆さんにお話を聞きました。 

式典会場アンケート「この本よんだ?おぼえてる?」 

「みなさんが0歳のときにプレゼントした絵本です。おぼえていますか?」
そんなポップとともに式典会場に用意されたアンケートコーナー。新成人の皆さんにゆっくり回答する時間はないだろうからと、シールを貼るだけで参加できるよう配慮しました。
すると、「なつかしい!」「この絵本、今も家にあります」と、たくさんの “あの日の赤ちゃん“ が立ち寄ってくれたそうです。
 

 このアンケートボードは、その後各図書館を巡回。20周年を市民に伝えるコーナーとして展示されました。一緒に展示した関連本の予約が増えるなど、好評だったそうです。 


巡回展示の様子。「西東京市図書館は絵本と子育て(ブックスタート)20周年を迎えましたのポップも。 

実行委員9名へインタビュー「ブックスタートの絵本の記憶は?」
図書館では、ブックスタートで手渡した絵本のことをより詳しく聞いてみたいという思いから、「二十歳のつどい」で実行委員を務める市内各中学校の代表9名にインタビューも実施しました。 

・・・・・ 

「小さい頃に読んでいた記憶があるので、とても懐かしいです。妹に読みきかせをしたときに、笑ってくれたことがすごく嬉しかったのを覚えています」 

「このインタビューがきっかけで、絵本が市からいただいたものであることを知り驚きました。幼い頃から図書館と深いつながりがあったことをうれしく思いました」 

「家にある絵本を探してみたら、半分以上のページが外れないようにテープで留められているし、すべてのページに折り目がついています。よく覚えてはいませんが、赤ちゃんの頃はこの絵本を気に入っていたのだと思います」 

・・・・・ 

インタビューの結果は「図書館だより」と図書館のウェブサイトで紹介。図書館だよりには、赤ちゃんの頃の写真と成人の日の晴れ着姿も一緒に掲載しました。 


こちらから全文お読みいただけます 

社会教育課と連携する中で生まれたアイデア
昨年度から事務局を担当する、西東京市中央図書館の小笠原 咲菜さんは、司書になって3年目。20周年事業で大変だったことやブックスタートへの思いを次のように話してくれました。 

「他課との連絡や調整はやっぱり大変でした。でも、『二十歳のつどい』担当の社会教育課が快く協力してくれて、実行委員へのインタビューをしてはどうかとアイデアをくれたんです。インタビューでは、図書館までわざわざ足を運んでくれた新成人もいて、当時手渡した絵本を実際に持ってきてくれました。皆さんのお話を聞いて、この事業が20年も続いていることを改めて実感しましたし、これからも長く続けていきたいという気持ちでいます」 

小笠原さんの言葉を受けて、同席された西東京市保谷駅前図書館 地域館長 牧野裕子さんも、活動への思いをお話しくださいました。 

「コロナで寸断される中でも、なんとか続けてきて20年が経ちました。図書館の事業はこちらに返ってくるものが少なく、市民にどう役立っているのかということが見えづらいのですが、今回の企画を通して“あの頃の赤ちゃん”に思い出を語ってもらって、20年前にまいた種がどんなふうに花ひらいたのかを知ることができて本当によかったです」 

* * * 

そんな西東京市の現在のブックスタートの様子がこちら!

親子を見つめる小笠原さんの笑顔に、「赤ちゃんの幸せ」を願う気持ちが変わらず受け継がれていることを感じました。 この日、絵本を受け取った赤ちゃんたちも、20年後に楽しい思い出を語ってくれるかもしれませんね