司書として、千葉県浦安市立中央図書館勤務を経て、現在は保育園で図書顧問をつとめる伊藤明美さん。浦安市では、ブックスタート事業の立ち上げや運営にも携わられました。
本書は、2022年11月開催のブックスタート全国研修会における伊藤明美さん講演の記録です。
※全国研修会の様子はこちらから
参加者から、「子どもたちや保護者とのエピソードを聞いて、絵本の力を改めて感じました」「ブックスタートが、子どもの成長や子育てを支える役目としても重要なことがわかりました」「保育園での実践事例が参考になりました」と大変好評だった伊藤さんのご講演。ぜひお手に取ってみてください♪
♦ 伊藤さんからのメッセージ
赤ちゃんが絵本をじっと見ていたら、その絵について言葉にしてあげてください。たとえば、「おいしそうね」「赤くてきれいだね」と。そして、文章を読んであげましょう。読みきかせは赤ちゃんと大人の心をつなぎ、その先の読書にもつながっていきます。
表紙の色はサーモンピンク
【内容紹介】
「これ読んで!」と、お迎えに来たお母さんを保育園の絵本コーナーに連れていく女の子。絵本の表紙の絵を見て、あれは自分だと保育士に伝える男の子。そうした行動には、子どものどのような気持ちが隠れているのでしょうか?
司書として、長年子どもたちに寄り添い、活動を行ってきた伊藤さんが、豊富な経験をもとに、子どもや親子にとっての絵本の読みきかせ、そしてその先に続くものについて語ります。
子どもは、読み手を通して絵本の世界を体験し、本と一緒に、読んでくれた人や時を記憶して成長する……。ブックスタート、子どもの読書、子育て支援、保育など、「絵本」「子ども」に関わる人たちへ、エールを送る一冊です。
【著者紹介】
伊藤 明美(いとう あけみ)
社会福祉法人芳雄会図書顧問・司書。千葉県浦安市立中央図書館に33年間、司書として勤務。市のブックスタート事業の立ち上げや実施にも携わる。現在は、芳雄会が運営する3つの保育園で、園児への読みきかせや絵本の選書・展示等を行う。大学講師、絵本専門士養成講座講師等としても活躍。主な著書に『先生が本(おはなし)なんだね』(小澤昔ばなし研究所)、『児童サービス論』(共著 日本図書館協会)、『知っておきたい図書館の仕事』(共著 LIU)、『がまとうさぎのもちあらそい』(再話 くもん出版)などがある。
【目次】
■ 子どもたちの絵本環境
・園の子どもたちに絵本を読みきかせるまでのこと
・広がる絵本の環境格差
■ 乳幼児の発達と絵本
・耳を育てる
・公共図書館と乳幼児サービス
・明らかになってきた赤ちゃんの能力
・赤ちゃんに絵本?~大学生の感想から
■ 「本読んで!」と言う子どもたち
・本当に読んでほしいのはお母さん
・「本を読んで!」は「一緒にいて!」
・0歳から2歳の読書は「共感読書」
・「声」で抱っこする
■ ブックスタートを未来につなげる
・ボランティアは「優しくて頼りになる第三者」
・実体験や興味を絵本につなげる
■ 絵本は親子のゆりかご
・絵本は親子の豊かな関係性の土台
・わらべうたは絵本の入り口
・絵本の読みきかせとは、読み手を通して子どもが世界を体験すること
■ Q&A
・ブックスタート事業の意味
・保護者への言葉かけ
・就学前の子どもへのアプローチ
・事業の立ち上げ
※NPO ブックスタートオンラインショップと一部書店でお求めいただけます。
※全国の都道府県立図書館およびブックスタート実施自治体に各 1 部寄贈しています。