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[福島県大熊町]避難先の赤ちゃんに絵本を届ける保健師さん

福島県大熊町は2002年からブックスタート事業を開始し、今年で20年目を迎えます。2011年3月の東日本大震災に伴う原発事故で全町避難を強いられ、一時活動を休止しましたが、「親子に少しでも心安らぐひとときを届けたい」と、3年後の2014年に再開。避難先が県内の赤ちゃんには家庭訪問で、県外の赤ちゃんには郵送で、保健師が絵本を届けています。

大熊町役場いわき出張所の保健師さんたち(2022年1月取材時)

頑張るお母さんの心に寄り添う
現在、大熊町の保健師は11人。1万余の町民の半数近くが避難するいわき市にある出張所には、そのうち5人が駐在しています。母子保健を担当する那須留美さん(写真右)は、大熊町の子育て家庭について次のように話します。
「震災前は友人や親戚がそばにいて助け合える環境が多くありましたが、今は異なります。とくに最近はコロナ禍で外出もままならず、ひとりで子育てを頑張っているお母さんが少なくありません」
家庭訪問では赤ちゃんの発育状況のみならず、そうしたお母さんの心に寄り添えるよう、1件あたり1時間ほど時間を割いて、丁寧に対応しています。

お父さんの育児も、絵本で応援
周囲の人に助けを求めにくい環境下での子育てには、お母さんのみならず、お父さんの頑張りも求められます。町ではお父さんの育児をサポートすることも大切にしています。

「赤ちゃんの扱いに不慣れで、どんなふうに言葉をかけ、接したらよいか分からない、というお父さんもいらっしゃいます。でも絵本が手元にあれば、それを読むことで赤ちゃんに声をかけられますよね。恥ずかしがりやなお父さんも、絵本を使って赤ちゃんとのコミュニケーションを楽しんでもらえたら嬉しいです」と那須さん。プレゼントする絵本は、お父さんも読みやすく、家族みんなで楽しめるものを選ぶようにしているそうです。

大熊町の取り組みは、2022年月3月30日 Yahoo!ニュースでも紹介しています。ぜひご覧ください!
◇ 日本中の赤ちゃんに絵本を!/読みきかせも一緒 20年で786万人に贈る