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[開催報告]事例紹介 鹿児島県霧島市/ブックスタート研修会2019(3)

絵本をひらく楽しい「体験」と「絵本」をセットでプレゼントするブックスタート事業。全国各地で取り組まれていますが、どこの課が事務局になるのか、どんな立場の人が関わるのかなど、そのやり方は様々です。

そのため研修会では、いくつかの自治体から、実施の様子を紹介してもらうプログラムを導入。参加者が、自分の地域でも取り入れられそうな事例を知ったり、課題解決への糸口を見つけたりする機会となっています。

今年は鹿児島会場と広島会場で、各2自治体のブックスタート関係者が発表してくださいました。これから4回にわたり、その内容をご紹介します。

1回目は2019年6月4日、鹿児島会場での鹿児島県霧島市の発表です。

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発表者は、市立国分図書館の田邊智美さん。(写真上)
すべての親子に絵本の楽しさを伝えたいという思いで事業を立ち上げたこと、図書館事業として捉えられがちなブックスタートが、保健師からも評価されていることなどについてお話しくださいました。

立ち上げのきっかけ~すべての親子に絵本の楽しさを伝えたい

霧島市では、2007年に事業を開始しました。
立ち上げのきっかけは、合併前の旧隼人町立図書館で行っていたおはなし会でのこと。2000年頃から、読みきかせに集中できない子どもの様子が見られるようになったのです。また、そもそもそうした機会に参加しない親子もいる中で、図書館として何ができるだろうか……。そう考えた時、すべての親子に絵本の楽しさを伝えられるブックスタートに意義を感じ、新規事業として採用することになりました。

現在は、保健事業である7~8か月児教室で事業を実施しています。事務局である図書館と、健康増進課、ボランティアが連携。毎回約40組の親子がやってきますが、教室が始まる前の時間を利用し、1組ずつに読みきかせと絵本のプレゼントを行ってます。


↑発表スライドより

アンケート結果の活用

1歳6か月児健診では、ブックスタートのアンケートを実施しています。2018年度の結果では、「絵本を楽しんでいる」との回答が89%、「配付された絵本を利用した」との回答が91%と、ブックスタートは対象者から好評です。アンケートで得られた意見は、絵本の選定や、保護者に手渡す資料の見直しにも活用されています。

保健事業の満足度向上にもつながるブックスタート

保健師からは「保健事業の中に絵本を介した楽しい時間があることで、事業の満足度向上につながるだけでなく、保護者が次の保健事業にも参加しようと思うきっかけにもなっています」という声が挙がっています。また、ボランティアからも「お父さんも一緒に親子で絵本を楽しんでいる姿を見ると、ほほえましく感じます」という感想が聞かれるそうです。

ただ、対象者の約2割が7~8か月児教室に参加していないことが課題となっています。今後も関係者どうしで協議し、すべての赤ちゃんに絵本を届けられるよう、力を尽くしたいとお話しくださいました。

※次回は鹿児島会場で行われた、宮崎県小林市の事例発表の様子をご報告します。

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▼開催報告「ブックスタート研修会2019」その他の回を読む

1.  講演 スギヤマカナヨさん
2. ワークショップ
3. 事例紹介 鹿児島県霧島市 ※本稿
4. 事例紹介 宮崎県小林市
5. 事例紹介 広島県尾道市
6. 事例紹介 広島県府中市