2019年6月に、鹿児島と広島で開催したブックスタート研修会。今回はワークショップの様子をご紹介します。
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ワークショップ
「ブックスタートを行う意味を考える」
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参加者が小グループに分かれ、席替えをしながら対話を進める「ワールド・カフェ」を行いました。
「あなたは、何が、ブックスタートの良さだと思いますか?」
という問いで始まった広島会場。あるグループでは、
「健診は、親子にとって緊張したり忙しい場かもしれないけれど、ブックスタートではホッとできる」
「ブックスタートに様々な立場や機関の人が関わることで、多様な視点から親子を見守ったり、支えたりできる」
「親子と地域の人がつながるきっかけになる」
といった意見が出ました。
※あるグループの様子。出し合った意見を模造紙に書き込むことで、発想が広がります。
グループのメンバーを入れ替えて臨んだ2番目の問いは
「そもそも、なぜ、私たちはブックスタートに取り組むのでしょうか?」。
「関わっている自分自身が楽しいから」
「”絵本がもらえるなら行ってみよう“と、親子が出かけるきっかけにもなるのでは?」
といった意見が出る中、ふとある参加者がブックスタートの理念に立ち返る言葉を。
「絵本をひらくことによって親子の間に幸せなひとときが生まれるのなら、それはきっと、その子にとって伏流水のようなものになるのではないか。成長の過程でいつ、どこから湧き出るかはわからないけれど、その子の心の中に溜まっていくものなのかもしれない」……。
グループのメンバーが深く頷きます。
最初のメンバーに戻って、引き続き2番目の問いに向き合います。
「ブックスタートには、赤ちゃんの幸せという目的を共有して、様々な立場の人たちが関われる仕組みがある」
「赤ちゃんの笑顔を見ると、まわりのみんなが笑顔になる。笑顔が増えれば、地域が元気になる。ブックスタートはそんなところにもつながっているのではないか」
など、この事業を地域全体から捉える視点も挙がり、グループでの対話が深まっていきました。
ワールド・カフェの休憩時間や終了後にも、会話がはずむ参加者の輪があちらこちらで見られました。地域や立場を越えて思いを語り合う、充実した場になったようです。
最後に貼り出した各グループの「話し合いの足跡」。研修のお土産として写真に収める方も多くいました。
※次回は、事例紹介の様子をご報告します。
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▼開催報告「ブックスタート研修会2019」その他の回を読む
1. 講演 スギヤマカナヨさん
2. ワークショップ ※本稿
3. 事例紹介 鹿児島県霧島市
4. 事例紹介 宮崎県小林市
5. 事例紹介 広島県尾道市
6. 事例紹介 広島県府中市