NPOブックスタート Bookstart Japan

自治体の方へ

[開催報告]ブックスタート研修会 in 大分

2017年10月11日、ホルトホール大分にて開催したブックスタート研修会in大分。当日の様子をご報告します。

プログラム
<AM>
・ブックスタートの今~全国の実践から見えてきたこと~(NPOブックスタート)
・事例紹介 大分県中津市/日出町
<PM>
・ワークショップ「ブックスタートを語りあおう」

事例紹介1)大分県中津市
中津市立小幡記念図書館 増田美千代さん

2013年度より、7か月児健診でブックスタートを実施している中津市。楽しく、あたたかな雰囲気で親子を迎え入れられるよう、スタッフの皆さんが知恵を出しあいながら会場づくりをしています。

取り組みを市民の立場で支えているのが、32名のボランティアさんです。普段の活動の中では、お互い顔は知っていても、経験や情報を交換する機会が限られるため、事務局では定期的に意見交換の場を設けています。先日のボランティア総会では「赤ちゃんが喜んでくれたことがとても嬉しかった」「活動を通じて元気をもらっています」といった感想や、「絵本をプレゼントすることが目的になっていないか」「事業の意義を皆でしっかり共有しなければならない」といった意見も出されました。

対象者へのアンケート調査では、「読みきかせを始めるきっかけになりました」「どんな絵本を読んでいいか分からなかったので、参考になりました」など、ブックスタート事業が家庭で絵本のひとときをもつきっかけになっていることが感じられる声が多く寄せられました。また、98%の方が事業の継続を望んでいるという結果も得られ、事業が対象者から広く支持されていることが分かりました。最後に、今後も更に活動を充実させていくために、スタッフ皆で力をあわせていきたいと話してくださいました。

▽中津市の発表スライドより


事例紹介2)
大分県日出町
日出町役場 子育て支援課 母子保健係 藤井聡子さん

大分市や別府市のベッドタウンとして、近年人口が増加傾向にある日出町。ブックスタート事業実施要綱には「すべての赤ちゃんと保護者に届けること」が明記されています。もともと4か月児健診の受診率は97%と高水準ですが、長期入院など様々な事情で健診に来られない方もいます。そうした方には、保健師が家庭訪問等を通じて絵本を届け、地域とのつながりがもてるよう努めているそうです。

また、町では母子保健・子育て支援・図書館がつながりながら、赤ちゃんの成長に応じた絵本に関する様々な取り組みを、ボランティアの方々の協力を得て、継続的に行っています。

ブックスタート後の6~7か月児育児相談会でも絵本の読みきかせが行われていますが、先日、その場に以前より少し気がかりだったお母さんが参加されていたそうです。藤井さんは、そのお母さんが「相談会に来てくれた」こと自体も嬉しかったそうなのですが、我が子と読みきかせを楽しむお母さんの表情を見て、更に嬉しく感じたといいます。「絵本を介したやさしい時間が、力を貸してくれたような気がします」と、話してくださいました。


ワークショップ「ブックスタートを語りあおう」

4~5人のグループに分かれ、メンバーを入れ替えながら、テーマに沿って意見を出し合い、お互いの思いや経験を共有しました。参加者からは「楽しくて、あっという間に時間が過ぎてしまいました」「同じ思いの仲間がたくさんいると改めて感じ、心強く感じました」といった感想が寄せられました。